ラブリーボーンはモヤモヤが止まらん映画!映像は美しいが胸くそ悪!

ラブリーボーンキャッチ
2009 DW STUDIOS L.L.C.
この感情はなんだろう…ラブリーボーン見てからモヤモヤドキドキが止まらない…なんかヤバいものを見たけど見たものの正体がわからなくて、誰かに言いたいけど言ってもどうにもなるわけでもないからモヤモヤしてるって感じの気持ち悪さ…

映画の感想一発目だから、好きな映画のいいシーンとか言いたかったけど、ラブリーボーンが消化不良すぎてどーにも胸焼けがすごいので、このモヤモヤな気持ちをぶちまけることによって、ゲー吐きそうな状態から救われようと思う。

ただの駄作ゴミ映画なら良かったのだが、とにかく映像が美しいのと主人公のスージーが可愛らしいので、ゴミとばかりも言えないどころかちょっと良かったかも感もあるから、より救われないって感じの映画。あー何言ってんだって感じよね~。

とりあえずラブリーボーンの和訳は「美しい骨」。ボーンは生まれてきて良かった的な意味じゃなくてまんま「骨」だから、間違って家族で見たりすると見た後「シーン」ってなる。

美しいシーンがいくら続いてもほっこりすんなー!油断すんなー!って言いたい!だって急に恐ろしいシーンぶちこんでくるからさ…。ホントやめて…心臓に悪いって…。

のん
キレイな映画だけど現実の汚さはそのまま描いてるとこに違和感出るのかも。たとえるならパリの街角?美しいけど下を見れば犬の糞だらけ…みたいな世界観
だりるん
現実の残酷さを映画でも見せられるとは…

ラブリーボーンのあらすじと予告動画

お魚みたいな名前のかわいい女の子スージー・サーモンは、14歳のときに近所の変態殺人鬼に襲われて殺されてしまう。死んでからスージーはすぐには天国に行かずに、天国と地上の間にとどまって家族の様子を見ている。

大好きだった父は犯人捜しに必死で、母はスージーを失った辛さから立ち直ることができない。家族がバラバラになっていく様子を見てスージーは心を痛める。そんな中、殺人鬼はスージーの妹を次のターゲットにして…。

ここから先はネタバレばかりですので、まだ見ていない人はご注意ください。

ラブリーボーンのネタバレ感想

予告動画にだまされる

こーゆー予告だから、「天国から不思議な力で家族と交信して、犯人をとっ捕まえる」って話を想像してた。少なくともそーゆー「胸くそのち爽快感」みたいなのを期待してた。

だが、しかーーし!その期待は潰される。→1モヤモヤ

期待させといてことごとく潰してくる

スージーはパパとうっすら交信できる。風もないのにロウソクの炎揺らすくらいの地味さだから、あんまり役立たないかなーってのはまーわかる。

でも大丈夫!霊感強い友だちルースがいるから!この子なんてスージーのことも見えちゃうくらいだから、絶対活躍するに違いない!しかもスージーの初恋の男の子レイと付き合ってるくらいだから、二人で犯人とっ捕まえるのかなーなんて期待もあり…。

だが、しかーーし!その期待は潰される。→2モヤモヤ

でも大丈夫!だって犯人の次のターゲットにされてるスージーの妹リンジーが、あいつおかしいって気づいて証拠取りに犯人の家に忍び込んだから!そして命がけで証拠のノート見つけてゲットしたから!

だが、しかーーし!その期待は潰される。→3モヤモヤ

いやいやなんで?妹、証拠ゲットしたじゃん!パパに証拠見せようとしてダッシュで家に帰ったじゃん!たまたまそこに家出してたママが帰ってきてて、パパと抱き合ってていい雰囲気になってたからって…

なぜすぐに証拠見せない?今お邪魔したら悪いわ~ってときじゃないだろ!逆に空気読め!目の前のパパとママの空気よりも、観客の空気読めや~!

ああ、本当にモヤモヤ…。このシーンなんだったんでしょう?ほんわかしてるパパとママを見て、証拠を隠した妹の心理が理解できません。こんなしょーもなシーン入れてきた作り手の心理が理解できません。観客はどこにどう感情移入すりゃいいのでしょうかっ!?

しかたなくリンジーは、証拠のノートをそっとお婆ちゃんに手渡す。

私は誰?ここはどこ?今何見せられてんの?ってなる。このシーンだけでも世にも奇妙な物語成立…
アホ一家のアホアホ物語見せられたってことか…!?殺意覚えるシーンだな、これ…

ファンキーなお婆ちゃんもザワつかせる

お母さんが家出したあと、家事をするためにファンキーなお婆ちゃんが来てスージー家の面倒を見るシーンがある。お婆ちゃんはいつもくわえ煙草してて、家事なんか全然できなそう。スージーがいなくなっても泣きわめいたりメソメソすることもなく、まぁ強いのねこの人は…って感じ。

ユーモラスで明るいシーンが続くから、重苦しいシーンの合間で箸休め的な役目果たしててなかなかいい感じ。でもね…でも…このシーンいる?

強いとこ見せるのはいいけど、せめてひとしきり泣いた後とかにしてくんないと、ただの冷酷なクソババアに見えてしまうんですがー。→4モヤモヤ

人間ってそうそう簡単に割り切れるもんじゃないから、お父さんみたいに苦しんで苦しんで犯人捜しに必死になってる方がよっぽど理解できるというか…それが人として親として当たり前なんじゃないの?って思う。→5モヤモヤ

この映画、全体的に「お父さん悲しみすぎ」「お父さんやりすぎ」って感じなんだけど、娘殺されて死体も見つからないんだから、気が狂ったっておかしくないって思う。むしろ気が狂うのが当然というか…。

だって娘殺されたんだよ?一生引きずるよね?

スージー殺されてから一年も経ってないのに、みんな立ち直るの早すぎだろ…
これが死後10年ならまだわかるけどな…ばーさんも人知れず激しく落ち込んでるシーンとかがあればまだしも、今のままだとただのサイコパスだろ…

スージーの死体が入った金庫が…

リンジーが証拠を持ち去ったので、変態シリアルキラー(ハーヴィー)はヤバいと思い、スージーの死体が入った金庫を捨てに行ってさっさと逃亡。金庫を捨てようとしている底なし穴はルースの家にあって、そのとき近くには初恋の男の子レイと霊感強い友だちルースがいた!

そのときちょうどスージーは天国の手前まで来ていた。するとスージーのもとに殺人鬼に殺された子たちが次々に集まってきた。みんなキラキラと輝いていてとっても幸せそう…。→6モヤモヤ

いやいや、悲惨な殺され方してんのに何みんな幸せそうにしてんの?そりゃ成仏して欲しいし、地上での最期のことなんか忘れて欲しいよ。

でもさ、幸せそうにしてんの違くない?殺人犯的視点だと「殺してもみんな幸せになるからオッケー♪」ってなっちゃわない!?

そもそも、記憶なくなってるならなぜ被害者が全員集合してんの!?このグループって何?

被害者団体、記憶喪失支部?おかしくなーーーーい?

いくらどんなに美しい映像が展開されようともだまされんぞー!美しいもので包めばすべてごまかせるみたいなので押し通そうとしてもひっかからないぞー!

と、激しい違和感と脳内で戦って丸めこまれないよう気を張っていたところ、スージーが「もう一つやることがある」とキリッとした表情で天国行きに待ったをかけて、地上に戻った。

よしきた!ここだ!今しかない!今こそスージーがルースに乗り移って、「あのおっさんが捨てようとしている金庫の中に私の死体が入ってるの!あいつが犯人よー!」って言えば、一件落着。ずっと気持ち悪かったけど、今までのモヤモヤ全部帳消しにしたる!

よし!やれ!スージー!君はやればできる子だ!

ルースに乗り移るスージー!そしてレイの前にスージーとして姿を現して…二人はキス。スージーのファーストキス…。嬉しそうで満足そうなスージー。

え…

ええっ……

ええええーーっ!?

やり残したことってキスだったんかーーーい!?

スージーの命がけのボケにつっこむために、この映画は作られたのです…ね…。→MAXモヤモヤ

ダメだ。ここで映画から逃避しなきゃ心壊れる。幻想逃避して現実に戻らなきゃやってらんない…
妹のリンジーが彼氏とキスしてるとこ見て、スージーは置いてかれた感出してたからな…しかしあれがオチへの一番の伏線だったとは…

天罰的なオチではモヤモヤは止まらん

スージーの死体入りの金庫は永遠に見つからない穴に落とされ、そのまま犯人はつかまらずに(たぶん)被害者が増え続けていくという悪夢のようなシナリオ。

一応犯人のおっさんが崖から足踏み外して死ぬというクソ地味な天罰オチがサラッと用意されているが…。→7モヤモヤ

せめておっさんが地獄で惨殺されるシーンくらい入れろやーー!!

悪いことしてても最期は神様が罰してくれる的なオチか!?無宗教だからピンと来ねーよっ!
神いるんなら殺される側をなんとか救ってやれよ…

この映画のいいところ

ラブリーボーンは、モヤモヤがすごくて気持ち悪い映画なのだが、それらを抜きにしてこの映画のいいところを考えてみる。

映像が幻想的で美しい

映像はとても美しい。天国ってこんなにキレイなら逝く価値あるなーってほど。スージーはピュアで可愛らしいので、美しい映像にもピッタリ合う。これその辺歩いてる人だと、合成写真みたいになっちゃって違和感すごいだろう。

だが、しかーーし!その美しい映像を許せないことに使ったシーンが一つ。

おっさんは少女ばかり狙ってる連続殺人犯で、今までにもさんざんエロのち殺しをくり返していた。殺された少女の死体がジャンジャン出てきた暗い映像のあと…。

その少女たちが天国ではしゃいでいる美しい映像がっ!これは暗い映像でさんざんやな気分にさせられた後の、口直し的な映像か!?気持ち悪い映像見せられた後だから、やったー!良かったーってなるか?

ならねーよっ!

すごく気持ち悪い映像見たあとは、その感情を引きずるので直後に美しい映像見せられても、さっきのグロ映像が脳裏に焼き付いているので気持ち入りません。

というか、あれか?美しい映像を際立たせるために、グロ映像が必要だったのか?ブサイクな子のあとに普通の子見ると、通常よりずっとかわいく見えてしまう人間の錯覚を利用して、美しい映像をより美しく見せるためのマジックとしたのか?

いいところ考えようとしたのに、やなとこにつながった。う~む。

スージーがとにかく可愛らしい

とにかくスージー(シアーシャ・ローナン)は可愛らしい。目鼻立ちが整っているというよりも、思春期特有のキラキラオーラが全身から漂っているというか。ホント、魅力的な子。だから…

とっても可愛いスージーが美しい映像の中にいる。

ということに、大きな価値を見いだせる人は、この映画を見て満足できるかもしれない…。すべてをなかったことにすれば…。現実の残酷さを受けられられる人であるならば…。

「浮かばれない」って言葉はないの?惨殺されても天国ではみんなハッピーってあり?被害者のこと考えるとありとは思いたいけどなんか許せない…
一人ひとりは弱くても、被害者みんなが手を組めば犯人を地獄に送ることもできたんじゃないのか…?
ほんとそれ!せめて神様に向けて署名運動とかしなよって話。

結論

ファーストキスは妥協せずに好きな人としておこう!でなきゃ死んでも浮かばれない!

by スージー

スージー役のシアーシャ・ローナンはちゃんと可愛いまま成長しました。大きくなったシアーシャを見て、ラブリーボーンの記憶をなくしてモヤモヤを消そう!

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